このサブプロジェクトについて

「名詞修飾表現」に関する共同研究プロジェクト(リーダー:プラシャント・パルデシ、サブリーダー:堀江 薫)は、国立国語研究所の第3期中期計画(2016年4月~2022年3月、6年間)で実施する共同研究プロジェクト「対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法」(リーダー:窪薗晴夫)傘下のサブプロジェクトの一つです。

日本語の連体修飾表現に関する寺村秀夫氏の一連の研究(例:「友達から借りた本」(内の関係、関係節)、「頭がよくなる本」(短絡の内の関係、内の関係と外の関係の中間的なもの)、「さんまを焼く匂い」(外の関係、名詞補文節)を端緒として、日本語の名詞修飾節の構造・機能的特徴が通言語的に関心を集めています。具体的には、これまで「関係節(relative clause)」という概念を通じて行われてきた言語類型論の分野において、「名詞修飾節(noun modifying clause)」という概念を援用した通言語比較研究が(Yoshiko)Matsumoto, Comrie, Horieなどによって着手されてきています。名詞修飾節に関して、Comrieはインフォーマントへの調査を通じてヨーロッパ型言語とアジア型言語の類型を提案しています。日本語の名詞修飾表現はその機能的な範囲が広く、統語的な制約よりはむしろ、意味・語用論的な制約によって規定されるという特徴ががあります。名詞修飾表現に関して、世界の多くの言語と比べたときに日本語は特異な言語であるか、それとも、日本語のような名詞修飾表現が他の言語でも頻繁に確認されるかは興味深い研究課題です。そこで本プロジェクトは日本語とアジアやアフリカ諸語における名詞修飾表現の対照研究を行い、日本語の名詞修飾表現の類型論的な位置づけを解明することを目的としています。

サブプロジェクトリーダー
プラシャント パルデシ(国立国語研究所 理論・対照研究領域 教授)